総則(金融商品取引法)




金融商品取引法の目的

金融商品取引法は、企業内容等の開示の制度を整備するとともに、金融商品取引業を行う者に関し必要な事項を定め、金融商品取引所の適切な運営を確保すること等により、有価証券の発行及び金融商品等の取引等を公正にし、有価証券の流通を円滑にするほか、資本市場の機能の十全な発揮による金融商品等の公正な価格形成等を図り、もって国民経済の健全な発展及び投資者の保護に資することを目的とする(金融商品取引法1条)。

金融商品取引法上の有価証券

金融商品取引法において「有価証券」とは、次に掲げるものをいう(金融商品取引法2条1項)。

  1. 国債証券
  2. 地方債証券
  3. 特別の法律により法人の発行する債券(4・11に掲げるものを除く)
  4. ≪資産の流動化に関する法律≫に規定する特定社債券
  5. 社債券(相互会社の社債券を含む。)
  6. 特別の法律により設立された法人の発行する出資証券(7・8・11に掲げるものを除く。)
  7. ≪協同組織金融機関の優先出資に関する法律≫に規定する優先出資証券
  8. ≪資産の流動化に関する法律≫に規定する優先出資証券・新優先出資引受権を表示する証券
  9. 株券・新株予約権証券
  10. ≪投資信託及び投資法人に関する法律≫に規定する投資信託または外国投資信託の受益証券
  11. ≪投資信託及び投資法人に関する法律≫に規定する投資証券・新投資口予約権証券・投資法人債券・外国投資証券
  12. 貸付信託の受益証券
  13. ≪資産の流動化に関する法律≫に規定する特定目的信託の受益証券
  14. ≪信託法≫に規定する受益証券発行信託の受益証券
  15. 法人が事業に必要な資金を調達するために発行する約束手形のうち、内閣府令で定めるもの(→コマーシャルペーパー)
  16. ≪抵当証券法≫に規定する抵当証券
  17. 外国・外国の者の発行する証券・証書で、1~9・12~16までに掲げる証券・証書の性質を有するもの(18に掲げるものを除く。)
  18. 外国銀行等の貸付債権を信託する信託の受益権等
  19. 法の定める市場デリバティブ取引に係る権利、外国金融商品市場デリバティブ取引および店頭デリバティブ取引に属するオプション取引に基づく権利を表示する証券・証書
  20. 1~19に掲げる証券・証書の預託を受けた者が当該証券・証書の発行された国以外の国において発行する証券・証書で、当該預託を受けた証券・証書に係る権利を表示するもの(→外国預託証券・証書)
  21. 1~20に掲げるもののほか、流通性その他の事情を勘案し、公益または投資者の保護を確保することが必要と認められるものとして政令で定める証券・証書

21の政令で定める証券・証書とは、次の2つである(金融商品取引法施行令1条)。

  1. 譲渡性預金(払戻しについて期限の定めがある預金で、指名債権でないものをいう。)の預金証書のうち、外国法人が発行するもの
  2. 学校法人等が行う割当てにより発生する当該学校法人等を債務者とする金銭債権(指名債権でないものに限る。)を表示する証券・証書であつて、当該学校法人等の名称その他の内閣府令で定める事項を表示するもの(→学校法人債券)

投資性が認められない有価証券は、金融商品取引法上の有価証券に該当しない。例えば、次の有価証券は、金融商品取引法上の有価証券に該当しない。

  • 物品の引渡請求権を表章する証券(貨物引換証券、倉庫証券など)
  • 券面額の支払請求権を表章する証券(約束手形(コマーシャルペーパーを除く。)、小切手)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする