このページでは、国土交通省「不動産鑑定評価基準」をもとに、不動産の類型について整理します。
学習の重要度を「高・中・低」の3段階で表しています。
- 1級:低
- 2級:低
- 3級:低
不動産の類型とは
不動産の類型とは、その有形的利用及び権利関係の態様に応じて区分される不動産の分類をいいます。
宅地の類型
土地の種別は、宅地、農地、林地、見込地、移行地などに分けられます。
ここでは、宅地を取り上げていきます。
宅地とは
宅地とは、宅地地域のうちにある土地をいいます。
宅地地域とは、居住、商業活動、工業生産活動等の用に供される建物、構築物等の敷地の用に供されることが、自然的、社会的、経済的及び行政的観点からみて合理的と判断される地域をいいます。
簡単に言えば、建築物や構築物が建てられる土地が宅地です。
宅地の類型
宅地の類型は、その有形的利用及び権利関係の態様に応じて、更地、建付地、借地権、底地、区分地上権等に分けられます。
更地
更地(さらち)とは、建物等の定着物がなく、かつ、使用収益を制約する権利の付着していない宅地をいいます。
建付地
建付地(たてつけち)とは、建物等の用に供されている敷地で建物等及びその敷地が同一の所有者に属している宅地をいいます。
借地権
借地権(しゃくちけん)とは、借地借家法(廃止前の借地法を含む。)に基づく借地権(建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権)をいいます。
「地上権」も「土地の賃借権」も他人の土地を使用する権利です。両者には、次の違いがあります。
- 「地上権」は物権であるのに対し、「土地の賃借権」は債権である。
- 第三者に土地の使用権を譲渡したり、土地を転貸したりする場合、「地上権」は土地所有者の承諾が不要であるのに対し、「土地の賃借権」は土地所有者の承諾が必要である。
- 「地上権」は土地所有者に登記義務が生じるが、「土地の賃借権」は土地所有者に登記義務が生じない(登記することはできる)。
底地
底地(そこち)とは、宅地について借地権の付着している場合における当該宅地の所有権をいいます。
区分地上権
区分地上権(くぶんちじょうけん)とは、工作物(地下鉄、地下トンネル、地下街、高架道路、モノレールなど)を所有するため、地下又は空間に上下の範囲を定めて設定された地上権をいいます。
建物及びその敷地の類型
建物及びその敷地の類型は、その有形的利用及び権利関係の態様に応じて、自用の建物及びその敷地、貸家及びその敷地、借地権付建物、区分所有建物及びその敷地等に分けられます。
自用の建物及びその敷地
自用の建物及びその敷地とは、建物所有者とその敷地の所有者とが同一人であり、その所有者による使用収益を制約する権利の付着していない場合における当該建物及びその敷地をいう。
貸家及びその敷地
貸家及びその敷地とは、建物所有者とその敷地の所有者とが同一人であるが、建物が賃貸借に供されている場合における当該建物及びその敷地をいう。
借地権付建物
借地権付建物とは、借地権を権原とする建物が存する場合における当該建物及び借地権をいう。
区分所有建物及びその敷地
区分所有建物及びその敷地とは、建物の区分所有等に関する法律に規定する「専有部分」並びに「当該専有部分に係る共用部分の共有持分」及び「当該専有部分に係る敷地利用権」をいいます。